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【整備士解説】ブレーキ故障の原因と点検方法|症状別に不具合を診断

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目次

ブレーキトラブルで多い症状

  • ブレーキ時にハンドルが左右に取られる(ディスクキャリパーが錆びで動きが悪くなるとハンドルがとられる)
  • ブレーキからキーキー音がする→ブレーキキーキー音についてはこちらの記事で詳しく解説
  • ブレーキペダルが深い・フワフワする→ペダルが深い原因についてはこちらの記事で詳しく解説
  • 車が重い・焦げ臭い(引きずり)
  • ブレーキの効きが弱い
  • ブレーキからガリガリ異音がする→ブレーキガリガリ異音の原因についてはこちらの記事で詳しく解説

ブレーキ故障の基本点検手順

① タイヤ・ホイール点検

1、タイヤの空気圧(以外と見落としがちなところです)
2、タイヤ トレッドの摩耗状態
3、ホイールベアリングのガタ(ガタがあれば異音も出るので発見しやすいです)

② サスペンション・ステアリング点検

1、ボールジョイントの摩耗状態
2、タイロッドエンドの摩耗状態
3、ショックアブソーバーの衰損
4、ステアリングギヤの損傷
5、各リンケージのガタ

*以上の項目は直接的にブレーキに影響を及ぼす箇所ではないですが、ガタなどがあるとブレーキをかけた時にハンドルがとられたり、車体に振動が出たりする部分なので、間接的に影響がある箇所です。

③ ブレーキペダル点検

1、ペダル取付け高さ
2、ペダルの遊び
3、ペダルの踏み具合

④ ブレーキ本体点検

1、ディスクパッド、ライニングの状態
  (材質、変質、当たり具合、異物の付着)
2、ディスクローター、ブレーキドラムの状態
  (異常摩耗、偏心)
3、ディスクキャリパー、ホイールシリンダーの作動状況
  (ピストンの摺動状況)

⑤ ブレーキ引きずり点検

まずは実際に走行してみて、ブレーキが引きずっているかどうかを確認する。

又、車をリフトアップして手でタイヤを回転させて重いかどうかを点検する。

⑥ マスターシリンダー点検

マスターシリンダー本体の点検は外してみないとわからないので、ブレーキペダルの遊びを点検する。

ブレーキペダルに遊びがないと、常にブレーキペダルがマスターシリンダーのプッシュロッドを押している状態になり、ブレーキが引きずった状態になってしまいます。

通常は、ブレーキペダルの遊びが自然になくなるということは無いので、ブレーキペダルのリターンスプリングの衰損又は外れなどが考えられます。

実際に多かったトラブル例

パーキングブレーキ戻し忘れ

整備士時代に多かったのが、車を走らせたらしばらくしてからなんか焦げ臭いので見て欲しい、といった依頼でした。点検したところパーキングブレーキをかけたまま走行してしまったみたいで、リヤのブレーキライニングが焼けていました。軽度の焼けなら再使用も可能ですが、重度となるとブレーキライニングの交換となってしまいます。

ブレーキがなんとなく引きずっているような感じがしたら、まずはパーキングブレーキがきちんと戻っているかの確認が必要です。

キャリパーピストンの錆びによる引きずり

整備士時代に多かったトラブルは、主にディスクキャリパーのシリンダーやピストンの錆びによる引きずりです。

この症状は走行距離にはあまり関係なく、どちらかというと年式の古い車に多いトラブルです。今どきの車は10年くらいでブレーキに錆びが発生するようなことは無いのですが、車を長く乗らないで放置しておくとブレーキ内部のピストンが動かない時間が長くなってしまい、錆びが発生しやすくなってしまいます。

後は、車のおかれている環境にもよります。海岸線の場所ではどうしても海の塩分の影響を受けてしまい、ブレーキの中ではなくキャリパーのスライドピンなどが錆びてしまい、その結果ブレーキが引きずってしまいます。

ディスクキャリパーのシリンダー部分やピストンが錆びてしまった場合は、オーバーホールしてサンドペーパーなどで錆びを落として直すのですが、ひどくなってしまって腐食が見られると新品に交換するしかありません。

その場合、ピストンだけなら部品代も1万円以下で買えることが多いのですが、ディスクキャリパーのシリンダーに腐食が見られるとディスクキャリパーアッセンブリの交換になってしまい、片側だけでも2万円以上の部品代になってしまいます。

このようなトラブルを防ぐ為には、定期的(車検の時)にブレーキをオーバーホールして錆びないようにしなければならないのですが、現在では車検時のコストを優先してほとんどの整備工場(ディーラー含む)では行っていません。

私がディーラーにいた頃は、車検の2回に1回(4年ごと)はディスクキャリパーのオーバーホールを行っていました。

今はどの整備工場も、車検の時にブレーキが引きずっていればオーバーホールを行う、という感じですが、10年以上経過した車でこれからもまだ長く乗ろうという考えだったら、ユーザーのほうからブレーキのオーバーホールをお願いしてもいいかも知れません。

マスターシリンダー内部の錆び

整備士時代にあったことですが、ブレーキフルードの交換をしていた時にブレーキペダルを踏んだらペダルが戻ってこなくなってしまいました。なぜ?と思ってマスターシリンダーを外してみたら、シリンダーの中の部分の錆びがひどくてピストンがスプリングの力では戻らない状態になっていました。

つまり、通常はブレーキマスターのプッシュロッドをペダルが床につくほど踏むことは無いのですが、ブレーキフルードを交換する時にはペダルを奥まで踏みます。その為に普段使われている部分(マスターシリンダーの手前側)は錆びていなくて大丈夫だったのが、奥のほうは錆びがひどかったのでピストンが奥に押し込まれた時に錆びのせいで戻らなくなってしまった、ということです。

どちらにせよ、そこまで錆びていたということは、いずれはピストンの動きが悪くなってしまうのは明白であり、車検の時に発見できて良かったです。

まとめ

ブレーキは車にとって一番大切な箇所です。エンジン関係のトラブルなら走らないだけで直接事故には繋がりません。しかし、ブレーキトラブルは直接事故に繋がる恐れがあるので、ブレーキに異変を感じたらすぐに点検することが重要です。

また、ブレーキの修理は応急処置という訳にはいきません。修理するなら100%完全に直さなければなりません。これから先この車を長く乗るつもりはないから安く済ませたいのでだいたいでいいや、ということはできないので、そのような理由だったらいっそのこと車を買い替えたほうが安心・安全です。

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この記事を書いた人

ガレージノート管理人
元自動車整備士(経験約30年)

ディーラーで19年、民間整備工場で約10年勤務。
エンジン不調・異音・足回りトラブルなど多数の診断・修理を経験。

このブログでは、実体験をもとに初心者でも分かるように解説しています。

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