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車のヒーターの風向きが変わらない原因はドリンクホルダーのジュースだった【整備士の失敗談】

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車のヒーターやエアコンの風向きを切り替えようとしても、

  • 顔にしか風が出ない
  • 足元に切り替わらない
  • デフロスターにならない

という症状が出ることがあります。

このような場合、多くはサーボモーター(アクチュエーター)の故障が原因ですが、今回紹介する事例では意外なものが原因でした。

実際に私が整備士時代に経験した失敗談です。

目次

お客様からの依頼内容

お客様から

「ヒーターの風向きが変わらない」

という依頼を受けました。

確認してみると、エアコンパネルで吹き出しモードを切り替えても風向きは変化しません。

顔向き、足元、デフロスターのどれを選んでも同じ場所から風が出続けています。

まず疑ったのはサーボモーターの故障

このような症状の場合、まず疑うのがサーボモーターです。

サーボモーターとは、ヒーターやエアコン内部のフラップ(ドア)を動かし、

  • 温度調整
  • 内外気切替
  • 風向き切替

などを行うモーターです。

サーボモーターが故障すると

  • カタカタ音がする
  • 風向きが変わらない
  • 温度が変わらない

などの症状が発生します。

そこでまず電源が来ているか点検しました。

結果は正常。

電源は問題なく供給されていました。

サーボモーター単体点検

次にサーボモーターを取り外して単体点検を実施。

するとモーターは全く動きません。

そこで

「原因はサーボモーターだ」

と判断し新品へ交換しました。

ところが……

症状は改善しません。

モーターは動こうとするものの途中で止まってしまいます。

まるで何かに引っかかっているような状態でした。

ヒーターユニット側を点検してみる

ここで初めて

「モーター以外にも問題があるのでは?」

と考えました。

サーボモーターを外した状態でリンク機構を手で動かしてみると、

異常に重いのです。

動くことは動くのですが、かなり強い抵抗があります。

この固さでは新品のサーボモーターでも動かせません。

ダッシュボードを分解

実際の写真を撮っていなかったのでこれはイメージです

原因を突き止めるためにはヒーターユニットを直接確認する必要があります。

しかしヒーターユニットはダッシュボードの奥深くに取り付けられているため、大掛かりな分解作業になります。

ダッシュボードを取り外し、ようやくヒーターユニット全体が見える状態になりました。

そこで再びリンクを動かしてみると、

やはり途中で引っかかります。

原因はジュースだった

この車のヒーターユニットは、内部のフラップがスライドすることで風向きを切り替える構造でした。

さらに分解して調べると驚きの原因が判明します。

スライド部分にベタベタした汚れが付着していたのです。

よく見ると乾燥したジュースのような汚れでした。

そのベタつきにホコリが付着し、

フラップの動きを妨げていました。

清掃してスムーズに動くようにすると、風向きは正常に切り替わるようになりました。

お客様に確認すると…

修理後、お客様に

「以前、飲み物をエアコン吹き出し口付近にこぼしたことはありませんか?」

と聞いてみました。

すると

「そういえばかなり前にジュースをこぼしたことがある」

とのことでした。

おそらく吹き出し口から流れ込んだジュースがヒーターユニット内部まで到達し、長年かけてベタつきとなって残っていたのでしょう。

サーボモーター故障は結果だった

今回の故障を整理すると、

  1. ジュースがヒーターユニット内部へ侵入
  2. スライド部分がベタつく
  3. フラップの動きが重くなる
  4. サーボモーターに大きな負荷がかかる
  5. 最終的にサーボモーターが故障

という流れだったと考えられます。

つまりサーボモーター故障は原因ではなく結果だったのです。

整備士としての反省点

今回の失敗は、

「風向きが変わらない=サーボモーター故障」

と決めつけてしまったことです。

確かにサーボモーターは故障していました。

しかし、その故障に至った原因を最初に調べていれば、もっと早く正確な診断ができたかもしれません。

整備では症状だけを見て判断するのではなく、

「なぜその部品が壊れたのか」

まで考えることの重要性を改めて学んだ事例でした。

ヒーターの風向きが変わらない場合の修理費用

車種によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

修理内容費用目安
サーボモーター交換1万円~4万円
ダッシュボード脱着3万円~10万円
ヒーターユニット脱着・分解5万円~15万円
ヒーターユニット交換10万円~20万円以上

ダッシュボード脱着が必要になると高額修理になるケースも珍しくありません。

よくある質問(Q&A)

Q. ヒーターの風向きが変わらない原因はサーボモーターだけですか?

いいえ。

サーボモーター故障以外にも、

  • リンク機構の固着
  • ヒーターユニット内部の破損
  • 異物混入
  • 電気配線の不良

などが考えられます。

Q. サーボモーター故障だと異音はしますか?

故障の仕方によります。

カタカタ音やガガガ音が出る場合もありますが、今回のように全く動かなくなることもあります。

Q. 飲み物を吹き出し口にこぼしたらどうすればいいですか?

できるだけ早く清掃することをおすすめします。

糖分を含む飲み物は乾燥するとベタつきが残り、今回のようなトラブルの原因になることがあります。

Q. 修理せずに乗り続けても大丈夫ですか?

走行には直接影響しない場合が多いですが、

  • フロントガラスの曇りが取れない
  • 足元に温風が出ない
  • 冷暖房効率が悪くなる

などの不便が発生するため早めの修理がおすすめです。

修理費用が高額なら買い替えも選択肢

ヒーターユニットの修理は、車種によってはダッシュボードの脱着が必要になり、10万円以上の修理費用がかかることもあります。

年式が古い車や走行距離が多い車の場合、修理を続けるよりも買い替えた方が結果的に安く済むケースも少なくありません。

「修理するべきか、それとも買い替えるべきか迷っている」という方は、一度現在の愛車の価値を確認してみるのもおすすめです。

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この記事を書いた人

ガレージノート管理人
元自動車整備士(経験約30年)

ディーラーで19年、民間整備工場で約10年勤務。
エンジン不調・異音・足回りトラブルなど多数の診断・修理を経験。

このブログでは、実体験をもとに初心者でも分かるように解説しています。

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