車を運転していて、
「なんとなく加速が悪い」「エンジンに力がない気がする」
と感じたことはありませんか?
その違和感、気のせいではなく車の異常のサインかもしれません。
この記事では、
加速不良・息つき(ブスブス)の原因とチェック方法を、元整備士の視点でわかりやすく解説します。
加速が悪い・エンジンに力がない時の主な症状
以下のような症状がある場合は要注意です.
これらはエンジン系・駆動系・抵抗系のいずれかに原因があります。
1、一定走行では普通に走るが、アクセルを踏んだ時におもった加速をしない。
2、最高速度が遅い、昇り坂で加速しない。
3、高速走行時にアクセル一定で息つきするような感じがある。
いずれの場合も運転者が感覚的に訴える場合が多く、実際に故障しているかどうかは判定が難しいところです。
しかし、これをただ思い過ごしと捉えてしまうことはしないで、きちんと点検することも重要です。
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【結論】まず疑うべき原因はこの3つ
時間がない人はここだけ見てください。
- 燃料不足(ポンプ・フィルター)
- 点火不良(プラグ・イグニッション)
- 駆動系トラブル(クラッチ・AT)
ここが原因のケースが非常に多いです。
エンジン関係の主な原因
アクセルが全開になっていない
意外と多いのがこれです。
厚いフロアマットなどが干渉して、アクセルが全開になっていないケースがあります。
ドライバーはアクセルを全開に踏んでいても、厚い足マットのせいで足マットの厚さのぶんだけアクセルペダルが踏み込めません。
これは、免許取り立ての初心者の方に多い事例で、まずはアクセルペダルがきちんと踏み込めるかを確認しましょう。
アクセルワイヤーの調整不良
今の車は電子制御スロットルを採用している車が多いので、アクセルワイヤーは付いていないですが、少し前の車はアクセルワイヤーでスロットルバルブを動かしていたので、ワイヤーの調整不良で全開にならないこともありました。
ワイヤー式の場合にはワイヤーの調整不良も疑ってみる必要があります。
燃料供給不足(加速時に弱い)
- 燃料ポンプの劣化
- 燃料フィルターの詰まり
- 燃料パイプの詰まり
燃料ポンプの吐出量不足でエンジンの出力不足となることがあります。
その場合、一定走行ではなんともないが加速した時に加速不良となり、思ったように加速しないとか、加速時に息つく現象などが出ます。
また、燃料ファイルターやパイプなどが詰まっていても同じような症状がでます。
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点火系の不具合(ブスブスの原因)
- スパークプラグの劣化
- イグニッションコイル・イグナイタ不良
スパークプラグが古くなって火花が弱くなると、燃料の爆発圧力も弱くなるのでエンジンの力がないと感じます。
まるっきりスパークプラグがだめになって火花そのものが出ない場合には、完全にその気筒は爆発しないのでスパークプラグを点検すればすぐに原因がわかりますが、火花が微妙に弱い、といった時にははっきりとスパークプラグが原因とは言えないので、疑わしい時には新品に交換して変化するかどうかを確認します。
イグニッションコイル・イグナイタの不良も加速時に息つきをおこすこともあります。
特に、イグナイタは冷間時にはなんともないが、熱をもつと症状が出る場合もあるので、少し走っただけでは解らないことも多く、症状を確認する時には長めに距離を走ってみなければ解りません。
また、イグナイタが原因の時には突然エンジンがストップしてしまって、すぐには再始動ができないこともあります。
以前、お客様の車を仲間の整備士が試運転した時に、途中でエンジンが止まってしまって再始動ができず、電話がかかってきて牽引ロープをもって迎えに行ったこともあったので、試運転に行く時にはそれなりに対策をしてから行くことをおすすめします。
圧縮不足(エンジン内部の摩耗)
- ピストンリング摩耗
- バルブ密閉不良
- タイミングずれ
これはやや重症です。
特徴は
普段は普通 → 負荷時にパワーが出ない
最終的にはコンプレッション測定で判断します。
エンジンの圧縮圧力が少ないと、一定走行で走っている時には異常を感じないが、加速した時に力が無いと感じる時もあります。
エンジンの圧縮圧力が低くなる原因としては、ピストン・ピストンリング・シリンダーの摩耗やバルブの密着不良・バルブタイミングのずれなどが考えられます。
バルブタイミングのずれは、タイミングベルトを採用した車に多くみられ、タイミングベルトが伸びてくるとコマがずれてしまいエンジンの力不足と感じます。
バルブタイミングは1コマでもずれてしまうと極端にエンジンの吹けが悪くなってしまうしかかりも悪くなるので、整備のプロだったら真っ先に疑う箇所です。
しかし、ピストン・シリンダーの摩耗やバルブの密着不良などは実際にエンジンのコンプレッションを測ってみないと解らないので、点火系統や燃料系統に異常が無いと解ったら、まずはコンプレッションを測定してみましょう。
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吸気・排気の詰まり
- エアクリーナー詰まり
- 触媒・マフラー詰まり
特に排気詰まりは、
全体的に吹けない感じ
になります。
エアクリーナーが詰まると吸入空気量不足となりエンジンの力が無いと感じます。
但し、エアクリーナーの詰まりというものは微妙で、外して点検してもはっきり言ってエアクリーナーが原因だとは断定することは難しいです。
私の今までの経験上、エアクリーナーに木の葉などが付着して吸入空気量が不足した、などという場合は別ですがエアクリーナーの汚れが原因で力不足を感じた例はありませんでした。
それでも、エアクリーナーが汚れていると燃費などには影響してくるので、定期的に交換は必要です。
マフラーや触媒コンバーターが詰まっていてもエンジンの力不足となりますが、これに関しては大変難しいです。
なぜなら、マフラーや触媒コンバーターは基本的に詰まりを点検することができないので、新品に交換する方法しかないからです。
部品も安いものではないので、他の部分を点検してどこも異常が無いと解ったら、最終手段として交換、という流れでしょう。
EGRの不具合
EGRが開きっぱなしになると、
混合気が薄まりパワーダウンします。
エンジン以外の原因(見落としがち)
ここ、かなり重要です。
クラッチの滑り(MT車)
- 回転だけ上がる
- スピードがついてこない
→ エンジンではなく駆動の問題
ATミッションの不具合
- ギアが合っていない
- 変速タイミング異常
→ 加速が鈍くなります
ブレーキの引きずり
常にブレーキがかかっている状態。
簡単チェック方法👇
ゆるい坂でニュートラル → 勝手に動けばOK
ホイールベアリング不良
- ゴーゴー音
- 回転抵抗増加
→ 放置すると危険です
タイヤの影響
- 空気圧不足
- サイズ違い
→ 地味に加速に影響します
旧車(キャブ車)の場合
さらに原因が増えます。
- フロート調整不良
- ジェット詰まり
- 燃料供給不足
正直ここはプロ領域なので、
専門店に任せるのがベストです。
まとめ:違和感は「初期症状」の可能性が高い
加速不良は
- 軽い整備で直るケース
- 大きな故障の前兆
どちらもあります。
だからこそ重要なのは
「気のせい」で終わらせないこと」
違和感を感じた時点で点検すれば、
大きな修理を防げる可能性が高いです。
