車を運転していると、ブレーキを踏んだ瞬間に「ガリガリ」「ゴゴゴ」といった異音が聞こえることがあります。
「まだ普通に止まれるから大丈夫だろう」と放置してしまう人も少なくありません。しかし、ブレーキから発生する異音は、車が発している重要な危険サインです。
特に金属音や振動を伴うケースでは、ブレーキパッドだけでなくディスクローターまで損傷している可能性があり、最悪の場合はブレーキ性能が著しく低下して事故につながる恐れもあります。
この記事では、
- ブレーキ異音の種類別の原因
- 音ごとの危険度・緊急度
- 故障しやすい部品
- 放置するとどうなるのか
- 修理費用の目安
を元整備士目線でわかりやすく解説します。
ブレーキ異音の種類でわかる原因と危険度
ブレーキの異音は、音の種類によって原因がかなり絞り込めます。
まずは現在発生している音を確認してみましょう。
| 異音の種類 | 主な原因 | 緊急度 | 放置リスク |
|---|---|---|---|
| キーキー | ブレーキパッド摩耗 | ★★☆☆☆ | ローター損傷 |
| ガリガリ | パッド限界・金属接触 | ★★★★★ | ブレーキ破損 |
| ゴゴゴ | ローター錆・摩耗 | ★★★☆☆ | 制動力低下 |
| シャリシャリ | 小石・軽度接触 | ★☆☆☆☆ | 悪化の可能性 |
| シュー | ブースター負圧漏れ | ★★★★☆ | ブレーキ倍力低下 |
「キーキー音」がする原因
最も多いのはブレーキパッド摩耗
ブレーキで最も多い異音が「キーキー音」です。
これはブレーキパッドの残量低下を知らせるための「ウェアインジケーター」がディスクローターに接触して発生しているケースが非常に多いです。
ブレーキパッドは新品時で約10mm前後ありますが、残量が2〜3mm程度になると交換時期に入ります。
その警告として金属片がローターに触れ、あえて音を出す構造になっています。

キーキー音を放置するとどうなる?
継続的に鳴っている場合は要注意です。
そのまま放置すると、
- パッド摩耗限界
- ローター攻撃
- 制動力低下
- 修理費増加
につながります。
本来パッド交換だけで済んだはずが、ローター交換まで必要になるケースも少なくありません。
「ガリガリ音」は危険!すぐ点検が必要
金属同士が直接削れている可能性が高い
ブレーキ時に「ガリガリ」「ゴリゴリ」という音が出る場合は、かなり危険な状態です。
多くは、
- パッド摩擦材消失
- 金属プレート露出
- ローター直接接触
が発生しています。
この状態ではブレーキを踏むたびにローターが削られています。
放置するとブレーキが効かなくなることも
ガリガリ音を放置すると、
- ローター破損
- キャリパー損傷
- ブレーキロック
- 制動不能
といった重大故障につながる危険があります。
特に高速道路走行中に発生した場合は非常に危険です。
ガリガリ音が出た時の対処法
以下の症状がある場合は自走を控えましょう。
- 強烈な異音
- ペダル振動
- ブレーキの効き低下
- ハンドル振れ
- ペダルが深い
ロードサービスやレッカー搬送を利用するのが安全です。
「ゴゴゴ音」「シャリシャリ音」の原因
ゴゴゴ音はローター錆が多い
「ゴゴゴ」「ゴー」という低い音は、ローター表面の錆が原因であることが多いです。
特に、
- 雨天後
- 冬季
- 長期間放置後
に発生しやすいです。
通常は長期間野ざらしで置いておくとかしない限りそれほど錆びは発生しません。
又、少しの錆びくらいだったら車を走らせて何回かブレーキをかければ錆びは落ちます。
しかし、錆びがひどい場合にはワイヤーブラシとかサンドペーパーなどでディスクローターを擦って、錆びを落としてあげるのもひとつの方法です。

雪国はローター腐食が進みやすい
融雪剤(塩カル)はブレーキ部品を急激に腐食させます。
そのため冬場は、
- 下回り洗浄
- 定期点検
- パッド残量確認
が非常に重要です。
シャリシャリ音は異物混入もある
「シャリシャリ音」は、
- 小石
- 砂
- バックプレート接触
などでも発生します。
軽度なら自然に取れる場合もありますが、継続する場合は点検をおすすめします。
「シュー音」はブレーキブースター異常の可能性
ブレーキを踏んだ時に「シュー」というエア音がする場合は注意が必要です。
これは、
- ブレーキブースター
- バキュームホース
- 負圧漏れ
などの異常が疑われます。
*ブレーキブースターのバキュームホースなどから負圧が漏れていた場合には、エンジンにもアイドリング不調などの症状が出ることもあります。
ブレーキペダルが重いなら危険
以下の症状がある場合は早急な点検が必要です。
- ブレーキが重い
- 制動距離が伸びた
- エンストしやすい
- アイドリング不調
倍力装置が正常に作動していない可能性があります。
ブレーキ異音が発生する仕組み
ブレーキは摩擦で止まっている
ブレーキは、
「ブレーキパッドがディスクローターを挟み込む摩擦」
によって車を停止させています。
つまり常に摩耗している部品です。
そのため、
- 摩耗
- 熱
- 錆
- 振動
によって異音が発生します。
ブレーキ異音を感じた時の対処法
まず安全な場所へ停車
異音に気づいたら、
- 安全確認
- 異音確認
- 制動力確認
を行いましょう。
こんな症状ならすぐ整備工場へ
- ガリガリ音
- ブレーキ振動
- ハンドルブレ
- ペダルが深い
- ブレーキが効きにくい
- ABS警告灯点灯
これらは危険度が高い症状です。
DIY点検できる範囲
ホイールの隙間から、
- パッド残量
- ローター傷
- 錆状態
を見る程度なら可能です。
ただしブレーキは「重要保安部品」です。
分解整備には専門知識が必要なため、プロのアドバイスが必須です。
ブレーキ異音修理の費用相場
ブレーキパッド交換費用
| 車種 | 費用目安 |
|---|---|
| 軽自動車 | 約10,000〜15,000円 |
| 普通車 | 約15,000〜25,000円 |
| 輸入車 | 約25,000〜50,000円 |
ローター交換になると高額化
ローター交換まで必要になると、
- 普通車:約30,000〜60,000円
- 輸入車:約80,000円超
になることもあります。
早期修理の方が結果的に安く済みます。
純正パッドと社外パッドの違い
信頼性重視なら純正品
純正パッドは、
- ブレーキ鳴き対策
- バランス重視
- 街乗り快適性
に優れています。
社外品は性能重視タイプも多い
社外品は、
- 制動力強化
- ダスト低減
- 価格重視
など特徴があります。
ただし種類によってはブレーキ鳴きしやすいものもあります。
*一般的に制動能力重視の物はブレーキ鳴きがしやすい傾向にあります。
まとめ|ブレーキ異音は早めの点検が重要
ブレーキ異音は、単なる「音」ではありません。
車が発している重要な異常サインです。
特に以下の症状は危険です。
- ガリガリ音
- 制動力低下
- ペダル振動
- ブレーキが深い
これらを放置すると、ローターやキャリパーまで損傷し、高額修理や重大事故につながる可能性があります。
「キーキー程度だからまだ大丈夫」と油断せず、違和感を感じたら早めに点検を受けましょう。
早期発見・早期修理が、安全にも修理費節約にもつながります。


