「助手席の窓を開けようとしても反応しない……。でも運転席のスイッチから操作すると普通に動く。」
このような症状になると、「モーターが壊れたのでは?」「高額修理になるのでは?」と不安になりますよね。
しかし、運転席側のマスタースイッチで正常に動くのであれば、パワーウインドウモーターやレギュレーターなどの機械部分は正常と判断できます。
つまり、原因はスイッチや配線などの電気系統に絞られます。
この記事では、実際に私が修理した事例をもとに、
- 考えられる原因
- 点検方法
- 実際の故障箇所
- 修理費用
まで詳しく解説します。
助手席のパワーウインドウが動かないのに運転席では動く原因
まず結論です。
運転席では動くのに助手席スイッチだけ反応しない場合は、次の4つが主な原因です。
| 原因 | 可能性 |
|---|---|
| ウインドウロックスイッチがONになっている | ★★★★★ |
| 助手席パワーウインドウスイッチ故障 | ★★★★☆ |
| コネクター接触不良 | ★★★☆☆ |
| ドア配線(ハーネス)断線・マスタースイッチ故障 | ★★★☆☆ |
逆に、
- パワーウインドウモーター
- レギュレーター
- ガラスの噛み込み
- メインヒューズ
などは正常です。
まずはウインドウロックスイッチを確認する
最初に確認してほしいのが、運転席ドアにあるウインドウロックスイッチです。
小窓に×印が付いたボタンで、押されていると助手席を含め運転席以外のスイッチ操作ができなくなります。
確認方法は簡単です。
- ロックスイッチをOFFにする
- 助手席スイッチを操作する
- 数回押し直して接触不良がないか確認する
意外と荷物や腕が当たって押されているだけというケースもあります。
ロックスイッチ自体が故障することもある
ロックが解除されていても動かない場合は安心できません。
ウインドウロックスイッチ内部の接点が故障し、常にロック状態になってしまうことがあります。
この場合は導通点検が必要になります。
助手席パワーウインドウスイッチを点検する
次に疑うのは助手席側のスイッチです。
点検するにはドア内張りを取り外します。
詳しい外し方は、こちらの記事で解説しています。
コネクターの接触不良を確認
内張りを外したら、
- コネクターが半挿し
- 抜けかけている
- 接点の腐食
がないか確認します。
差し込み直すだけで直るケースもあります。
今回は改善しませんでした。
スイッチ単体の導通チェック
続いてテスターでスイッチを点検します。
導通モードで
- OFF
- UP
- DOWN
それぞれで導通を測定します。
導通しない場合はスイッチ内部の接点不良です。
この場合はスイッチ交換になります。
新品交換がおすすめです。
中古品は安く購入できますが、いつ故障するかわからないため、再度分解作業が必要になる可能性があります。
(注:)パワーウインドウスイッチをカプラーから外した場合、車によってはコンピューターをリセットしないとパワーウインドウが誤作動を起こすこともあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
電源電圧を確認する
スイッチが正常なら、今度は電源を確認します。
イグニッションONにして、
スイッチカプラー裏側からテスターを当て、
約12Vが来ているか測定します。
最近の車はカプラーが小さいため、細いテスター棒やバックプローブを使用すると測定しやすくなります。
アース回路を点検する
パワーウインドウはアース回路も重要です。
助手席スイッチからの信号は、多くの車種で運転席マスタースイッチを経由してアースへ流れています。
この配線が切れると助手席スイッチだけ使えなくなります。
確認するポイントは
- ドアヒンジ部分(蛇腹ゴム)
- マスタースイッチまでの配線
- アース導通
になります。
実際の故障原因はドア配線の断線だった
今回の車両では、
助手席スイッチから運転席マスタースイッチまでのアース回路が遮断されていました。
そこで配線を一本ずつ点検していくと、
ドアヒンジ部の蛇腹ゴム内で配線が断線していることが判明しました。
ドアは毎日何度も開閉されるため、この部分の配線は長年の曲げ伸ばしによって断線しやすい場所です。
断線した配線を修理したところ、助手席スイッチでも正常にパワーウインドウが動作するようになりました。
修理費用の目安
| 故障内容 | 修理費用目安 |
|---|---|
| ウインドウロックスイッチ点検 | 0〜3,000円 |
| 助手席スイッチ交換 | 8,000〜20,000円 |
| マスタースイッチ交換 | 15,000〜35,000円 |
| 配線修理(断線補修) | 8,000〜25,000円 |
| ドアハーネス交換 | 20,000〜50,000円 |
※車種や部品代、工賃によって異なります。
*修理費用が高額になる場合は、カーネクスト
の買取サービスを利用するという選択肢もあります。
よくある質問(Q&A)
Q. 運転席では動くのに助手席だけ動かない場合、モーターは故障していますか?
いいえ。運転席から正常に動くのであれば、モーターやレギュレーターは正常です。原因はスイッチや配線など電気系統にある可能性が高いでしょう。
Q. 一番多い原因は何ですか?
まずはウインドウロックスイッチのONを確認してください。その次に多いのが助手席スイッチの故障やドアヒンジ部の配線断線です。
Q. 自分でも修理できますか?
ウインドウロックスイッチの確認やコネクターの差し直しであればDIYでも可能です。
ただし、配線修理や電気系統の点検にはテスターと回路図が必要になるため、自信がない場合は整備工場へ依頼することをおすすめします。
まとめ
助手席のパワーウインドウが動かないのに運転席では正常に動く場合は、モーターやレギュレーターではなく、電気系統のトラブルである可能性が高くなります。
今回の車両では、ドアヒンジ部の配線が断線していたことが原因でした。
まずは次の順番で点検すると、効率よく原因を絞り込めます。
- ウインドウロックスイッチを確認する
- 助手席スイッチを点検する
- コネクターの接触不良を確認する
- 電源電圧・アース回路を測定する
- ドアヒンジ部の配線断線を確認する
配線の断線は外から見えないため見落とされやすい故障ですが、ドアの開閉を繰り返す車では比較的多く発生するトラブルです。
助手席側だけ操作できなくなった場合は、今回ご紹介した手順を参考に原因を切り分けてみてください。
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