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クランクプーリーボルトが外れない原因と対処法|安全に緩めるコツを元整備士が解説

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「車のクランクプーリーボルトが外れない…」

タイミングベルト交換やフロントオイルシール交換で、多くの人がぶつかる壁です。

  • インパクトでも回らない
  • 延長パイプを使ってもびくともしない
  • なめそうで怖い

この記事では、元整備士として約30年現場にいた経験をもとに、
「クランクプーリーボルトが外れない原因」と「安全に確実に緩める方法」を解説します。

目次

クランクプーリーボルトが外れない原因【まずはここを理解】

① 締め付けトルクが異常に高い

車種によっては200〜300N·m以上で締め付けられています。
さらに角度締め指定の場合、想像以上に強固です。

② 経年固着・サビ

エンジン前部は水や塩害の影響を受けやすく、
10万km超えの車両では軽く固着していることが普通です。

③ ネジロック剤の使用

メーカーによってはネジロック剤が塗布されています。
この場合、単純なトルクだけでは外れません。

④ 工具不足・固定不足

実はこれが一番多い原因です。
固定が甘い=力が逃げる=外れないという構図です。

クランクプーリーボルトの正しい緩め方【手順解説】

手順① 高トルクインパクトを使う

家庭用インパクトでは厳しいことが多いです。

目安:

  • 18V以上
  • 最大トルク300N·m以上

エアインパクトなら0.8MPa以上推奨。

手順② クランクプーリーホルダーで固定する

クランクプーリーホルダーとは、クランクプーリーボルトを緩める時にプーリーが回らないように保持する工具です。

これを使わずに苦戦するケースが非常に多い。

  1. プーリーを専用工具で固定
  2. ブレーカーバー(スピンナハンドル)を使用
  3. 延長パイプで一気に力をかける

ポイントはじわじわではなく一撃

手順③ 6角インパクトソケットを使う

(普通のソケットでは割れてしまう可能性があるし、ボルトが舐めてしまうこともあります)

絶対に守るべきこと。

  • 12角はNG
  • 安物ソケットNG

ボルトをなめると作業難易度が一気に上がります。

手順④ ネジロック対策で加熱

ヒートガンやバーナーで中央部を加熱。

※オイル漏れ車両では火気厳禁。

【体験談】本当に外れなかったケース

自分の経験からすると、トヨタの1JZ、2JZエンジンは本当にクランクプーリーのボルトが緩みません。

タイミングベルト交換時は絶対にクランクプーリーを外す必要があるので、毎回苦労しました。

大型車(4トン以上のトラックなど)の整備の時に使うような大きいエアーインパクトなら緩みますが、いかんせんラジエターやエアコンのコンデンサーが邪魔をして入りません。

普通車用のエアーインパクトではいくら頑張っても無駄でした。

もちろん、クランクプーリーホルダーは使ってます。

それでも外れない時は、セルモーターを回してボルトを緩めます。

やり方はというと

クランクプーリーのボルトにメガネレンチ又はソケットとスピンナーハンドルを差し込みます。

この時にメガネレンチ又はスピンナーハンドルがセルモーターを回した時にどこに当たるかを確認しておくことが必要です。

きちんと車のフレーム部分か床(コンクリート床のように固い場所でないとダメ)に当たらないと、ボルトが緩まないばかりか車を壊してしまう可能性があります。

*エンジンがかからないように点火系のヒューズを抜いておくなどの対策は必須です。

メガネレンチ又はスピンナーハンドルが当たった時の衝撃でボルトは緩みます。

但し、この方法は最終手段で何をしても緩まなかった時です。

へたをすると、クランクプーリーを破損してしまったり、車のどこかを壊してしまうリスクがあります。

また、メガネレンチやスピンナーハンドルが外れてどこかへ飛んでいってしまう可能性もあるので、この方法を行う時はボンネットを閉めておいたほうが安全です。

裏技的な緩め方

あまりおすすめではありませんが、リングギアをバールなどで抑えて回らないようにして、クランクプーリーのボルトを緩める方法もあります。

オートマチック車の場合なんですが、ミッションのリングギアの部分のカバーを外します。

そこにバールなどを差し込んでリングギアを抑えます。

一人がリングギアを固定して、もう一人がクランクプーリーのボルトを緩めます。

ですから、リフトで上げた状態が前提になります。

この方法ならクランクプーリーホルダーなどを必要としないで、ボルトを緩めることができます。

ただ、おすすめでないと言った理由は、バールでリングギアを抑えるということは、リングギアの齒の部分にかなりの力がかかることになるので、リングギアの齒の部分を傷めてしまう可能性もゼロではないということです。

もし、万が一にもリングギアにダメージを与えてしまったら、クランキング時に異音が出てしまうこともあるかも知れません。

そうなったらリングギアを交換する為にミッションを降ろさなければなりません。

そのようなリスクを考えると、やはりきちんとクランクプーリーホルダーを使ってボルトを緩めたほうが安心でしょう。

まとめ|クランクプーリーボルトが外れない時の結論

✔ 固定が最重要
✔ 高トルク工具を使う
✔ 6角ソケット必須
✔ 無理ならプロ依頼

クランクプーリーボルトは「気合い」ではなく「準備」で外します。

「エンジントラブル全体を知りたい方はこちら」

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この記事を書いた人

ガレージノート管理人
元自動車整備士(経験約30年)

ディーラーで19年、民間整備工場で約10年勤務。
エンジン不調・異音・足回りトラブルなど多数の診断・修理を経験。

このブログでは、実体験をもとに初心者でも分かるように解説しています。

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