車のパワーウインドウが突然動かなくなると、「モーターが壊れたのかな?」と心配になる方も多いでしょう。
しかし実際には、原因がパワーウインドウスイッチの接触不良というケースも少なくありません。
今回は、スズキ アルトで実際に発生した「運転席のパワーウインドウが時々動かない」という症状をもとに、原因の絞り込みからスイッチ交換までの作業を詳しく紹介します。
元自動車整備士としての経験をもとに、無駄な部品交換を避けるための点検方法についても解説します。
パワーウインドウが動かない原因全般については、こちらの記事で詳しく解説しています。
助手席のパワーウインドウが動かない時はこちらの記事で解説しています。
スズキ アルトのパワーウインドウが動かない症状
今回入庫したアルトでは、運転席のパワーウインドウに次のような症状が発生していました。
- スイッチを押しても全く反応しない
- 何回か押したり引いたりすると突然動く
- 一度動くと普通に開閉できる
このような症状の場合は、完全に故障しているというよりも、接触不良が発生している可能性が高くなります。
考えられる原因
運転席のパワーウインドウが動かない原因として考えられるのは次のようなものです。
- パワーウインドウスイッチの故障
- パワーウインドウスイッチコネクターの接触不良
- パワーウインドウモーターの故障
- モーターコネクターの接触不良
- ドア内部ハーネスの断線
- パワーウインドウリレーの故障
- リレーコネクターの接触不良
- ヒューズ切れ
ただし今回のように「何回かスイッチを操作すると動く」という場合は、スイッチ内部の接点摩耗であることが非常に多いです。
部品交換の前に点検すること
ここが整備では非常に重要です。
部品交換は原因が特定できてから行います。
思い付きで交換すると、
- 修理が直らない
- 部品代が無駄になる
- 本当の故障原因を見逃す
ということがあります。
今回もまず簡単に点検できる部分から確認しました。
パワーウインドウモーターの点検
パワーウインドウスイッチを押した状態でパワーウインドウが動かない状態の時にモーター付近を軽く叩いてみます。
これで動く場合はモーター内部のブラシが摩耗している可能性があります。
この場合はモーター交換になります。
配線の点検
ドア内部の配線を軽く動かしながらスイッチを操作します。
反応があればハーネスやコネクターの接触不良が疑われます。
特にドアの開閉を繰り返す車では、蛇腹部分の配線が断線することも珍しくありません。
これらを点検した結果、今回はスイッチ本体の不良と判断しました。
パワーウインドウスイッチ交換方法
①ドアノブカバーを取り外す
ビスを外してカバーを取り外します。

②取っ手部分のビスを外す

③前側クリップを外す

④後側クリップを外す

ドア内張りは上記した箇所以外にも下側のほうは内張りの裏側にクリップでとめられています。剥がす時にはハンディリムーバー(内張りはがし)を使うと簡単に剥がすことができます。
⑤スイッチパネルを取り外す

スイッチパネルは内張りに挟まっているだけなのでこじれば外せますが、マイナスドライバーなどで行うと傷を付けてしまうので、先ほど紹介したハンディリムーバー(内張りはがし)を使えば傷をつけることがなく簡単に外せます。
⑥コネクターを取り外す

配線を外す時にはコネクタのロックを押して解除しなければ外れません。このロック部分って結構固いので指で押したりして外すと指が痛くなってしまいます。なので配線カプラー用プライヤーを使っています。これを使えば簡単にコネクタのロックを外すことができます。
⑦固定ビス2本を外す

⑧スイッチを取り外す

⑩新品を取り付ける
取り付けは取り外しと逆の手順で行います。
交換後は窓の開閉を何度か行い、正常に作動することを確認します。
(注:)パワーウインドウスイッチをカプラーから外した場合、車によってはコンピューターをリセットしないとパワーウインドウが誤作動を起こすこともあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
パワーウインドウスイッチはネットでも購入可能
パワーウインドウスイッチは純正品だけでなく、社外品もAmazonなどで販売されています。
年式や型式によって適合する部品が異なるため、購入前には必ず車検証で型式を確認してください。
交換しても直らない場合は?
スイッチを交換しても改善しない場合は、
- モーター故障
- ドアハーネス断線
- リレー不良
- ヒューズ切れ
- ECU制御異常
など、別の原因も考えられます。
DIYで原因が特定できない場合は、早めに整備工場へ点検を依頼することをおすすめします。
まとめ
今回のアルトでは、運転席のパワーウインドウが時々動かなくなる原因は、パワーウインドウスイッチ内部の接触不良でした。
何回もスイッチを操作すると動く場合は、スイッチの故障であるケースが多いですが、モーターや配線の接触不良でも似た症状が出ることがあります。
そのため、部品を交換する前に簡単な点検を行い、原因をしっかり絞り込むことが大切です。
今回はスズキアルトでしたが、他の車種でもやり方はだいたい似たようなものです。
交換作業自体は比較的簡単なので、DIYに挑戦する方は型式に適合した部品を用意して、安全に作業を行ってください。

